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大沢ICのすぐそばに快適すぎる一棟貸しの古民家誕生!

築100年という古民家を改修して誕生した「一十土」(読みは“いっとうち”)。
その立地は、なんと六甲北有料道路の大沢インターチェンジのすぐそば、ICから車で1分という至近距離だ。

取材に訪れると、ちょうど家の前に植わったモミジの木も鮮やかに紅葉。この家が建てられたときに、家に暮らしていたおじいさんが山から採ってきて植えたものだと伝わっている。

そもそもこの家、3年前に地域おこし協力隊として東京から北区大沢へやって来た吉田夫妻の住まいとして紹介された物件だったが、まもなく3年の任期が終わる吉田さんが大沢でこの先やっていくことのひとつとして、古民家を改装して一棟貸し&地域の拠点とすることを決めたのだそう。

もともとはいわゆる田の字型の間取りで、土間、畳、フローリングの部屋が混在していたそうだけど、吉田さん夫妻が暮らしながら少しずつ整理を進めて、今年ついに全面改修に踏み切った。

部屋を仕切る壁はすべて抜いて、床は全面土間に。とんでもなく開放感のある空間に生まれ変わっている。

家の前の庭ではBBQも楽しめる。まだ今のところ、薪は家の改修で出た廃材を使っているが、近隣の庭師から分けてもらう手はずも整っている。

寝室となる部屋は土間からが上がって、もとの古民家の部屋のまま。最大8人まで泊まることができる。たぶん8人でもだいぶゆったり広々。

大胆な改修のようでいて、抜いた天井の土壁は意図的に残したり、外観からはわからなくなっているけど実は茅葺き、という屋根の木組みを誰もが見学できるように天井にのぞき口とハシゴを付けたりと、古民家らしさを見事に活かしている。

改修を手がけたのは神戸の建築家・今津修平さん。ちなみに、フルーツ・フラワーパークで大人気の道の駅施設「ファームサーカス」を担当したのも今津さんだ。

ちなみに破風の位置にある「水」の文字は、火除けのまじない。さりげなく掛けられた絵はこの家に残っていたもの。

そして、寝室の外にはウッドデッキも。吉田さんがどうです~!とばかりに手を広げる先には田園風景が広がって、ちょうど夕日が沈んでいく方角にあたる。以前はうっそうとした竹やぶだったのを、少しずつ少しずつ吉田さんが整備してきた。

「田んぼの季節感ってものすごくて、日々それを眺めてるだけでも見飽きません。そばの杉の木にはツリーハウスをつくって、裏山に向けてプライベートトレイルを整備して」と吉田さんがやりたいこともまだまだあり。それにしても大沢ICのすぐそばとは思えない景観。けど、これこそがこの土地本来の眺め。

吉田彰さん、志穂さん夫妻と愛犬のモモは3年前、一緒に東京から移ってきた。が、その前には塩屋や垂水といった神戸の海沿いで7年間暮らしていた経験も。

「塩屋に暮らしていた当時も、三田のアウトレットとかこの近辺に来たことはありましたけど、施設と施設を行き来するだけで、大沢や淡河の魅力には全然気づけてなくて。あらためてこの界隈のよさを言うなら「とても便利な田舎」。この家から車で5分も行けばイオンモールですけど、違う方へ目を向ければゆったりとした自然があって。この家を拠点にして周りの気持ちよさももっと知ってもらえたらと思います」。

一十土
●北区大沢町上大沢2147-10
※利用は8人まで、一棟貸し切り・1泊40,000円前後。Airbnbサイトで受付

<一十土までの道のり>

文:竹内厚

写真:岩本順平