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つながるレストラン-里海編- レポート

KOBE FOOD CULTURE FEST.のプログラムとして、つながるレストラン里海編が開催されました。舞台となったのは、ホテルセトレ神戸・舞子。漁師さんの案内のもと、目の前に広がる瀬戸内海へ漁船クルーズにでかけ、その後、砂浜にできた1日限定の屋外レストランで地産地消の料理を楽しみました。
その様子をフォトレポートしていきます。

瀬戸内の海の魅力に触れる

ホテルセトレ神戸・舞子にチェックインをした一行は、一息ついたあとロビーに集合し、今回のプログラムの目玉の一つ、漁船での瀬戸内海クルーズへ。
船を走らせてくれたのは漁師歴20年を超えるベテラン漁師、西村和基さん。
神戸で漁業をしていること自体に驚く参加者に対して、神戸で営まれている海苔養殖や、しらすなどの船びき網漁、鯛やヒラメなどをとる底びき網漁などについて紹介いただきました。

船の上で神戸の漁業について教えてくれる西村さん。

 

海苔養殖の網も見学。

 

明石海峡大橋や淡路島を眺めるクルーズ

舳先で風を感じる参加者の方々。船がほしいと言い出す方も。

 

奥に見える橋桁は神戸空港の誘導灯。離着陸を間近で。

普段見ることのない、海からの風景を楽しみながら、参加者のみなさんは思い思いの場所で、潮風を感じ、ゆっくりしたひとときを満喫。海と山が近い神戸の魅力を体感し、神戸空港周辺では離着陸する飛行機を間近に見る貴重な経験も。

いざ、砂浜のレストランへ

漁船クルーズを満喫し、日もくれかけた頃、船は桟橋へ。
これからはじまるディナーへの期待を高めながら、砂浜へ移動。
砂浜では、明石海峡大橋の向こう側に沈む夕日が迎えてくれました。
ソムリエの田村さん、マネージャーの福長さんの進行のもと、ウェルカムドリンクから順にディナーがはじまります。目の前の景色を味わう、というセトレ神戸・舞子のみなさんのコンセプトの元、神戸で水揚げされた魚や西区で収穫された野菜、そして、淡路島で育まれたお肉、さらには、数々の地域のお酒でペアリングされ、地産地消を体験できるコース料理が提供されました。
料理一つひとつに生産者さんとのエピソードなどを交えながら、説明してくださる田村さん、福長さんのおかげで、目の前のヒトサラから、どんどんと世界は広がります。

美しい夕焼けを目の前に屋外レストランへ。

 

日が暮れると明石海峡大橋のライトアップが目の前に現れた。

 

料理のコンセプトやペアリングしたドリンクを一つずつ丁寧に説明。

今回、クルーズで案内してくださった漁師の西村さん、そして神戸市西区で野菜を生産している農家の稲垣さんもディナーに参加し、神戸の魚や農産物の魅力を教えてくれました。

神戸市西区で新規就農した農家の稲垣さん。実は元プロ野球選手。

 

船を出してくれた漁師の西村さんからは旬のお魚の魅力を伺う。

・地産地消の料理のご紹介
前菜から最後の一品まで、それぞれ名前のつけられた神戸の魅力を体現した料理が続き、一瞬のようにディナーの時間が過ぎていきました。

「始まりの淡路」
海老芋のムースと神戸夜明けのしらすのマリネ、太刀魚の低温調理 グリビッシュソース、神戸ポークのリエット、須磨産焼海苔のタコス。淡路島伝統の瓦を使った器や、形自体が淡路島を模したものなど、視覚や触覚からも産地を感じることができる一品でした。
ペアリングされたのは、地元神戸でビールをつくっている「IN THE DOOR BREWING(インザドアブルーイング)」による“Shiroinon(シロイノン)”。香り付けに使用されているオレンジピールは淡路島のなるとオレンジが使用されているとのことでした。

 

「大地の一皿」
今回、参加している稲垣さんの農園C-farmの野菜と、目の前の海で獲れた魚で構成された、前浜の魚介とC-farm野菜の菜園風。稲垣さんや西村さんのお話を聞きながら、お二人の仕事を感じることができました。 こちらの料理にペアリングされたのは、神戸蒸留所でつくられたクラフトジン“山-YAMA-”。有馬山椒や神戸唯一の茶園である静香園の緑茶茶葉など、兵庫県産の山のボタニカルを中心につくられたジンで、料理を引き立てるスッキリした味わいでした。

 

「SETORE’s Specialite」
兵庫県で捕獲された熟成鹿と茸のロースト、さつまいものスープや落花生のアクセントも。器にも鹿の骨が使われている逸品。お肉に合わせていただいたお酒は神戸農政公社が運営する神戸ワイナリーでつくられた“MELROT-宵-”。神戸で生産された良質のメルロのみを厳選し、オーク樽でゆっくりと熟成されたこのワインは、飲みやすくもしっかりとタンニンを感じるものでした。

 

「恵み」
鯛と鱧と丹波みやざきふぁーむの野菜の酒蒸しスパイシーマスタードソース。こちらの一品にも神戸蒸留所のウィスキー“NEW POT”がペアリング。樽詰めされるまえのフレッシュなウィスキーで、華やかな香りが食事を盛り上げてくれます。

 

「至高」
六甲姫牛と椚座(くぬぎざ)牛のステーキ 淡路玉ねぎのソースとニンニクのソース。六甲姫牛のさっぱりとしつつも旨味をしっかり感じる赤身と、しっかりとサシが入りつつも、もたれることのない椚座牛を味わえました。
メインの一品へは赤ワインかと思いきや日本酒がセレクト。神戸を代表する酒蔵、神戸酒心館がつくる“福寿 超特撰 純米酒”が提供されました。山田錦を全量使用した灘伝統の辛口のお酒ですが、純米酒ならではの重厚感もあり、お肉との相性もばっちり。

 

「〆の一品」
くぎ煮茶漬け。神戸の春の風物詩で、現在はあまり獲れてない貴重ないかなごを使った食事で締めくくってくれます。

 

そしてさらに、予定にはなかったしらす丼も。

 

「秋の風」
弓削牧場のフロマージュブランと柿のミッレフォーリエ。締めくくるお酒は、白鶴酒造の若手商品開発プロジェクト「別鶴」が開発した日本酒“陽だまりのシュノーケル”。グッドデザイン賞も受賞したこのお酒は、柑橘類の果皮のような香りとほろ苦さを感じる新感覚の日本酒でした。杉樽に短期間貯蔵され、味わいに厚みや複雑さがでているそう。

 

最後は高見シェフによるご挨拶。参加されていた方と話しながら、料理へのこだわりもうかがうことができました。
来年以降は、セトレ神戸・舞子さんの独自プログラムとしても展開されていく予定とのこと。ぜひ、みなさんも参加してみてはいかがでしょうか。