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平野コープ農園、探訪!

ウワサに聞いていた「平野コープ農園」、その初のお披露目の機会となる「オープンファーム」イベントを見学してきました。

この立地がまずは面白くて、有馬街道の平野交差点をさらに山側へ。左手に湊山温泉を見ながら、急な階段を登っていくと現れる平野展望公園の一角にしっかりとした農園スペースが確保されています。
展望公園と名付けるだけあって、神戸の町並みを見渡せる位置にあり、感覚としては山と街のちょうど境界あたり。

21年の3月から参加者を募集してから半年ちょっと。
今でこそ「農園にちょうどいい場所見つけたなあ」なんてノンキな感想も湧きますが、それ以前は足を踏み入れる人もほとんどいない、荒れ気味な公園だったといいます。どちらかといえば、怖い場所だったと。でも、だからこそ、公園の一部を使った共同農園化が実現したのだと教わりました。

「いい場所にある公園は利用者も多いから、そこを農園に使わせてとお願いしてもまったく許可されなくて。放置されていたような場所だからこそ、農園が実現したんです」「暗くて誰も人のいない以前の公園の状態を見てるから、今、これだけ人がここに集まってることが信じられないくらい」という、平野コープ農園に関わる人たちの実感のこもった声も聞かれました。

この日は、畑で採れた野菜(ニンジン、大根、白菜、カブなど)がどっさり入ったみそ汁がウェルカムドリンクのように振る舞われ、2本のトークイベントに、マメの定植体験などの農園に直接触れる機会も。時間を追うごとに集まる人は増え、トークに耳を傾けたり、農園を自由に見てまわったり。

振る舞われたみそ汁。野菜のみで出汁が十分に。

 

スパイラルガーデンに植えられたハーブの収穫体験も。

 

当アプリマガジンで連載中の新保先生もトークに登壇。

農園を見守るような大きな木のそばにつくられた円形デッキと切り株のイスで広場をつくり、トークの時間は手押し車もイス代わりに。イベント中も子どもたちがのびのびと走り回る、子ども放ったらかしな空気もよいものでした。

平野コープ農園の大きな特徴は、「公園を訪れる誰もが自由に収穫を楽しめる」という試みがなされていること。あっという間に採られてしまうんじゃないのと心配になってしまいますが、実際に、まだ収穫期を迎えていない野菜を採っていってしまう人もいるのだとか。

「せっかく育ててきたのにくやしいーと思ったけど、どうせなら野菜のおいしい時期に採ってほしいねと言うメンバーの人がいて、そうか、怒りの感情よりもそういう優しい気持ちでやっていく方がいいなって(笑)」と農園の管理人を務める井上磨子さんがトークでも明かしていたように、いまでは畑には収穫期を伝える立て札がいくつも見られます。「自由に収穫」のルール、まだまだ模索中です。

平野コープ農園には、区画ごとにメンバーに貸し出された貸し農園と、メンバーが共同で野菜を育てるコミュニティ農園がある。

 

自由に収穫を楽しめるコミュニティ農園では、収穫期を伝える立て札が置かれていた。

メンバーが集まって活動しているのは、今のところ月に4日ほど。特にオープン日を設定されているわけではありませんが、普段からオープンな公園にある農園なので、いつでも自由に訪ねてみてください。

 

平野コープ農園
神戸市兵庫区平野町350 平野展望公園内
Instagram:@hirano_coop_farm