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ながた農園 / 長田江美子さん

長田江美子の<4月某日の日記>

朝5時半、すでにうっすら明るい…働ける時間がだんだん長くなっていくこの時期。着替えて畑を見に行く。
西の畑は花ざかりのえんどう、青々と葉を伸ばすじゃがいも、2日前に種まきしたいんげんなど。東はまだ草と区別がつきにくいにんじんの芽、間引き前のごぼう、自家採種のにんにく、昨年草まみれにしてしまいやり直しにかなり時間を費やしたアスパラガスなど。
それから、新玉ねぎ、春キャベツ、ブロッコリーの側花蕾(大きなのを採った後に出てくる小さなブロッコリー)、間引いた大根を収穫。ささっときれいにして、計量→袋詰め→ラベルを貼って出荷コンテナへ。伝票を書いたら10時すぎ、やっと朝昼兼用のごはん。
少し休憩して、西の畑へ。
土の乾き具合を見て、今日は農機で夏野菜の畝立てを8本。多品目栽培は畑の一部を片付けて耕すので、小回りが利く機械を使う。便利で作業が楽な機械も使いこなせるまではかえって効率が悪かったな。使い始めて3年目、今は本当に助かる。
畝立ての後は豆類に鳥避けの紐を張って、とにかくあちこちの畝の草を抜く。抜いても刈ってもきりがないのでたまに笑いが込み上げてくる。陽が落ちても終わるわけもなく、今日も「よう働いた」と自分をほめておしまいにする。
家に帰ってすぐにシャワー。そして、人生の目的の一つである晩酌のひと時がやってくる。そう、この時間の価値をかみしめるために自分は明日もまた一日のほとんどを畑で過ごす。なんとまぁ、しあわせなこと。

長田江美子さんに5つの質問

ー Q1:農家歴
4年目。前職の介護職の頃から趣味として10年ほど農には親しんでいたが、自分の大切な人が喜んでくれるような食べ物がつくりたいという思いで就農。環境や人に優しい農業を行ない、早くから有機JASを取得。

ー Q2:栽培作物
日常的になじみのある大衆野菜を有機農法で栽培するという方針で、少量多品目で栽培。

ー Q3:好きな野菜の好きな食べ方
有機栽培で今年やっと出荷できるようになったアスパラガス。オリーブオイル、塩コショウのソテーでシンプルに。

ー Q4:気になる農機具
野菜の加工に使える機械や、低温でドライにする乾燥機、いずれ果物をつくっていくつもりなので、ジュースをつくる機械も気になっている。

ー Q5:尊敬している農家さん
金子美登さん。有機農業がまだまだマイノリティだった時代に、有機農業の開拓者として道を切り拓いてくれた方。