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食べることのできる野菜ブーケづくりを体験! 

三ノ宮から向かうこと30分。長い新神戸トンネルを抜けて、高速道路を走っていくと田園風景に囲まれた大沢(おおぞう)町に辿り着く。
近くには道の駅フルーツ・フラワーパークもあって、もう少し高速を走れば、三田のアウトレットもある。きっとそこには多くの人が訪れたことがあるんだろうけど、今日はフルーツ・フラワーパークの横をさらっと通り抜けて向かう。
そう、大沢町がおおぞう、と読むこと、淡河町がおおご、と読むことを、北区の友人を訪れる機会が増えて初めて知った。北区の町名は読みづらく、少しとっつきにくい。だからか、読み方を知らない人に出会うとドヤ顔で教えたくなる。
そんな大沢町に2021年春、姫路から拠点を移してきた「Farmer’s Yard」。
野菜って食べるもの、だけじゃない。ブーケにもなるんです! ということで、お花のブーケづくりすらしたことないメンバーで体験してきました。

周りの景色はまさに農村。車を停めた公民館の駐車場から。

この道は狭すぎて自家用車が入れず、近くの公民館に車を停め、迎えにきてもらうスタイル。

農村あるある、軽トラしか走れないのじゃないかという狭い道の先にある「Farmer’s Yard」。
もともと、植物が好きで造園業や花屋などを経て、農家になったという鈴木さんが、野菜をつくりながら、野菜ブーケを制作し、体験教室も不定期だが開いている。
今日の野菜ブーケの材料となるのはこちらの野菜たち。
ブーケとしての美しさをつくりだすために、発色豊かな様々な品種の野菜が並んでいた。
なんと、どの時期でも出荷できるようにと、年間400品種もの野菜を生産している。
「野菜は早摘してサイズを小さくしているのではなく、通常の大きさまで育つ品種を、通常と同じ期間、もしくはもっと長く育てて、サイズも味も凝縮され、発色もよく育てている」とのこと。
奥さまと二人のつくるこだわりの野菜が、見た目だけでなく、味にも表れる。
さて、いよいよ野菜ブーケづくりのスタート。今回は写真を私が担当するので、スタッフの戸島が挑戦! 花のブーケも作ったことのない彼女がどこまでできるか。普段は15人ほど同時に教えているという鈴木さんが、今日はマンツーマンレッスン。仕上がりに期待です。

丁寧にアレンジメントを教えてくれる鈴木さん。

「フラワーアレンジには基本的な形があるけど、野菜のブーケは気にせず楽しんでほしい」。
鈴木さんはそう言いながら、スポンジにカーリーケールを突き刺していく。
それをみながら、恐る恐るカーリーケールを刺していく戸島。

スポンジにどんどん野菜を差し込みながら、10種類ほどある今日の野菜について鈴木さんの知識が披露される。野菜ごとのおすすめの食べ方、育てる際の工夫など、実際に育てて、新鮮な野菜を毎日食べている農家さんならではの話を聴きながらつくっていく。
食べられるのかなと思っていた花は、ブロッコリーの花で食べられるもの。季節に応じてケールの花を使うなど、葉っぱだけでなく、野菜の花も活用する。
どの順番で入れていくか悩んでいると、「大丈夫です。どんどん行きましょう」と背中を押してくれる。

直接スポンジに刺さらないものは竹串や爪楊枝で立体的に。

コツはスポンジを隠すように野菜を埋めていくこと。

取りかかること約20分、野菜のブーケが完成!
鈴木さんのアドバイスのもと、初めてとは思えないきれいな仕上がりに。

最後はラッピングをして完成。

野菜ブーケにはこの美味しそうな野菜が凝縮されている。

Farmer’s Yard創業から12年を迎える2023年3月、今年は、神戸市中央区のKIITO(デザインクリエイティブセンター神戸)で個展「野菜博物館ZERO」をひらく(3月10日から12日まで)。
「野菜と対峙して、野菜の可能性を拡げたい」と語る鈴木さんの目標は、ルーブル美術館で野菜の展示をすること。その目標に向けて、KIITOでの展示、そして大沢町に野菜植物園をオープンするための準備をすすめている。
柔らかな表情の鈴木さん、その内側に秘めた熱い想いも体験を通して感じることができた。

Farmer’s Yard
●神戸市北区大沢町
野菜のブーケ体験は公式サイトから要予約。
公式サイト:https://farmers-yard.jimdofree.com/
Instagram:https://www.instagram.com/farmersyard2011/
食べちょく:https://www.tabechoku.com/producers/21399
野菜博物館ZERO
●KIITO 3F レンタルスペース302
展示期間:2023年3月10日〜12日 10時〜17時

文:岩本順平

写真:岩本順平