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農業はもちろん、自然に寄り添った農的な暮らしが学べる場が北区にオープン!

北区の八多町で2022年4月にオープンした「magatama field(まがたまフィールド)」。
酒米どころとして日本酒の原料となる山田錦を多く産出する農村地域に誕生した、農に関わりたい人を迎える新たな拠点だ。

移動中に広がる農村の風景。

酒米がたくさん生産される地域らしく田んぼが広がる。

 

訪れたのは雪がちらつきそうな12月末。駐車場には神戸ではなかなか見かけない飼料を保管するサイロがあり、牧場のような匂いが漂ってきた。
そんな場所で、1年にわたって誰でも参加することのできる「農ある暮らしを五感で学ぶプログラム」が動きだしている。

狭い上にぬかるんでいる農道。取材時にもスタックして動けなくなる車が…。

 

コロナ禍でさらに人気を呼んだベランダ菜園だけでは物足りなくなった人にも、ぜひおすすめの濃厚プログラム。企画している遠藤修作さんが、農村地域らしい大きな家で迎えてくれた。

大きな古民家の前で迎えてくれた遠藤さん。

 

大学で生態学など生き物のことを研究してきた遠藤さん。
研究者になることを目指していた時期もあったが、研究で得た情報を一般に伝えて広げていく「インタープリター」という役割のあることを知り、今は兵庫県立人と自然の博物館でコーディネーターなどの活動も行っている。

そんな遠藤さんが趣味としてやってきた、肥料や農薬を一切使わずに野菜を栽培する「自然農」の講座や、土や水などをテーマにした環境学習、さらに季節の手仕事をひとまとめにしたのが「農ある暮らしを五感で学ぶプログラム」。

農村エリアで活動する食・農・環境ビジネスの実践者から直接学べる「神戸農村スタートアッププログラム」(神戸市主催)に参加して、遠藤さんの思いが具体的な形になった。なお、この「神戸農村スタートアッププログラム」は来年も開催予定だとか。

「農ある暮らしを五感で学ぶプログラム」は、収穫体験のような農業に触れる機会を提供するだけでなく、「微生物と環境」という講義があったりして完全に大人向けの構成。毎月第3土曜日に集まって自然農で野菜を育て、環境に関する知識も増やしていく。知識欲を駆り立てられる内容だ。

写真提供:magatama field

 

2023年度の募集は3月頃から開始とのこと。
ぜひウェブサイトなどをチェックしていただきたい。

ちなみに、話を伺っていたこちらの古民家。
今後リノベーションして貸し会場やコワーキングスペースとしても運営していく予定で、すでにオルタナティブスクールが定期的に授業の場としても活用している。

家を引き継いだ時のまま残している応接室。

 

古民家でよく見かける木彫りのクマもしっかり鎮座。

 

オルタナティブスクールの子ども達が書いた書き初め。自由な感じがいい。

 

農に深く関わってみたい、環境をもっと知りたい、という方におすすめの場所。2023年からは子ども向けの企画など、単発で参加できる機会も準備中だそう。

家の目の前にあるプログラムの舞台となる畑。

 

 

magatama field
●神戸市北区八多町屏風420
2023年3月から2023年のプログラム受講者を募集予定。
随時活動の情報も発信中。
facebook:https://www.facebook.com/100083557083039

神戸農村スタートアッププログラム:https://kobenoson.jp/

文:岩本順平

写真:岩本順平