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風土をダイレクトに採り入れた ここでしかないオーベルジュ。

摂津×丹波で「SETTAN(セッタン)」。その店名からも兵庫の土地が刻みこまれたウワサの一軒。フランス、神戸、大阪のフレンチで修練を重ねてきた吉田繁雄シェフが生まれ育った地元に戻って、2021年に独立開業を果たしたオーベルジュだ。

世界的なレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ 2023』にも神戸のフレンチで唯一、掲載されるなど、界隈の美食家がこぞって足を運ぶレストランとなっている。

神戸北区のフレンチsettanの外観1
このエリアで店を開くための場所をずっと探し続けてきたというだけあって、県道から入ってすぐの立地ながら、周囲を自然に囲まれた、よくぞこんな場所がという環境。

神戸北区のフレンチsettanの客席驚くほど開放的な客席。季節によっては、夜の営業中にちょうど山の向こうに夕日が沈む。

神戸北区のフレンチsettanの内観すぐそばに見えているのはSETTANの田んぼ。山を上がったところにもシェフ自ら育てる畑、田んぼがあるという。「田んぼのひとつはスタッフと手植え、手刈りで挑戦しています。ときには山の奥に入ってキノコを採ってきたりすることもあります」と吉田シェフ。

神戸北区のフレンチsettanの吉田シェフ「昔は全国からいろんな珍しい食材を集めて料理することに喜びを感じていましたが、今は地元で手に入る食材を使っています。すると、どうしてもスタンダードな野菜が多くなりますし、それぞれの旬もそれほど長くない。それであっと驚くようなメニューをつくることに最初は苦心しましたけど、今ではそれだからこその「SETTAN」らしい料理を提供できるようになりました。」

神戸北区のフレンチsettanのコース料理1

神戸北区のフレンチsettanのコース料理2

神戸北区のフレンチsettanのコース料理3冒頭の写真でも紹介した「六甲」がコースの最初に。吉田シェフの実家にあったケヤキの木がお皿代わりだ。山を散策するかのように料理をいただくというまさに最高のアミューズ。この日は、フリットしたフルセや、淡路島のサクラマスを使ったリエット、ブロッコリーのピューレの菜の花添えなど。

神戸北区のフレンチsettanのコース料理4そのときどきの旬の食材で料理されるので、メニューは日々変化する。よってメニューに書かれているのはその時々の素材のみ。

神戸北区のフレンチsettanのコース料理5もうひと皿出していただいた。香りのいいガシラのお腹にはホウレンソウ、ズッキーニ、トマトなどの野菜と畑で採れたハーブが。明石の仲買人から仕入れる魚に近郊の野菜。まさに神戸らしい一皿。

神戸北区のフレンチsettanのテラス席テラス席ではデザートをいただいたり、コースによってはジビエなどのワラ焼きの調理場ともなる。

神戸北区のフレンチsettanのテラス席からの眺め季節になれば、すぐそばの屏風川沿いにホタルが見られることも。三宮から車で約30分とは思えない広々とした景色。

神戸北区のフレンチsettanのデザート北区大沢町の「すまいるふぁーむ藤本」の章姫を使ったデザート。冷たいイチゴのアイスに温かいイチゴソースで。イチゴの香りと味が大きくふくらむ。

神戸北区のフレンチsettanの外観2ランチ、ディナーともに5,500円、11,000円、16,500円の3コース・要予約。いずれも別途サービス料10%。移り変わる食材を楽しみに毎月のように訪ねる常連も少なくないそう。

 

 

SETTAN
●北区八多町屏風965
営業時間:11~12時半L.O、17時~18時半L.O 月曜休(祝日の場合は翌日休)
電話:078-224-5013
https://settan-kobe.com/

 

<SETTANまでの道のり>

文:竹内厚

写真:岩本順平