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澁谷農園 / 澁谷嘉一さん、清美さん

澁谷嘉一の<ある秋の日の日記>

1週間のうち、唯一大口の出荷のない土曜日。
予定を入れるならこの曜日。

朝6時起床。朝ご飯、近くのコンビニでの週末野菜販売へ野菜の配達、山羊達を小屋から出す。

9時、大学3年生の娘の学園祭へ夫婦で出掛ける。年に数えるほどしか乗らない電車に、娘の写真部展示を見るために乗る。
12時、学園祭を後にし、学校最寄駅近くのインド料理店でランチ。コロナビールを飲んでコロナ退散祈願! 帰宅途中、神戸市長選衆院選の期日前投票へ。

15時、週に1度のぼかし作り。父から受け継ぎ24年、おから、米糠、発酵済みのボカシを攪拌機で混ぜて袋詰め。

18時、山羊達を小屋に入れる。
19時、バイクで一走り。
20時、晩ご飯。

用事がある時は出掛けるがそれ以外はいつでも仕事。
街でぶらぶら、家でゴロゴロしてみたい。

写真: Kento Minoi

澁谷嘉一さん、清美さんに5つの質問

ー Q1:農家歴
23歳から始めて24年目。農家の長男として生まれたこともあり、高校卒業後は農業者大学校に進みました。その後、長野で半年果樹など勉強したのちに「らでぃっしゅぼーや」で研修。親が有機農家でもあるので流通などを学んで取り入れたら面白いなと考えたんです。そこで妻(清美さん)と出会いました。妻は農業を志していたけどあの時代、簡単にはなれない。ならば農家の嫁になろうと決めていた人。大学校卒業して1年後に結婚。そのまま一緒にずっと農業を営んでいます。

ー Q2:栽培作物
年間約50種類かな。「毎年毎月同じものを作る」ということを意識しています。少量多品目でして、季節によって変わりますが葉物、大根、トマトなどを栽培しています。あまり新しい野菜は作らず、スタンダードな野菜が中心です。品目をたくさん作る中での、野菜の新規導入はリスクもあるので。

ー Q3:好きな野菜の好きな食べ方
もう、なんでも食べます。妻は、母の作る「菊菜のツナマヨ和え」が大好きです。初めて口にして以来、絶賛しています。

ー Q4:気になる農機具
近々導入を検討しているのは、手押しのマルチャー。楽に畝にマルチをかけることができるので。

ー Q5:尊敬している農家さん
(夫婦ふたり口を揃えて)父です。「とにかくアイデアマン。次から次へとなにか編み出している」(嘉一さん)、「ずっと有機農業者として、今も頑張っている。ほんとうに尊敬に値する人です」(清美さん)。

※今回は特別に取材後記もどうぞ

父の冨貴男さんは、地域の有志で立ち上げた有機野菜の共同購入「菜のはなの会」。会員は時代の流れとともに変遷するものの、根強い支持を受けて今に至っています。「会員さんに菜の花会の野菜を1年間絶えることなく供給し続けたい」という嘉一さん。「有機農業をやっていくにはそういうのがいいのかなと思う」と。静かに力を込めてそう語る姿に、基本の大切さ、スタンダードのすごみを感じました。
今回のインタビューは、夫婦で受けてくださいました。毎日ずっと仕事の話をしているので周りからは口げんかしている、仲がわるいと思われているかも、と笑うふたり。それほど真剣に仕事について語らっている姿は一つの理想でもあります。夫婦もしくはペアで就農する方々へのメッセージは、「夫婦だからできることもある。役割分担を設定して」とのこと。「わたし、大ざっぱだから」という清美さん。「気になることもあるけど、あえて見ないようにしてる」と笑う嘉一さん。これからも二人三脚で農業生活、エンジョイしていく姿が目に浮かびます。
2021.10.12 澁谷農園 1階休憩所にて